外食業界で家庭を持つイメージが持てないなら、給食業界の調理師に転職ってのもアリだと思うよ

 

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飲食業の中でも外食業界のハードワークはずば抜けています。

  • ほぼ昼夜逆転の生活サイクル
  • 長時間労働
  • 疲れに見合わない収入

私が外食フランチャイズ業界でつまづいたのもそんな理由からです。

 

いわゆる料理人からのフランチャイズ本部の人というルートで、店長、トレーナー、スーパーバイザーと経験しました。

某焼肉チェーンのエリア本部という位置づけです。

 

外食チェーン業界は人の入れ替わりが超激しいので、割とポンコツでも何年かやってればこの辺までは行けます。

 

人材募集でよく年収モデルなんかが書いてありますよね、30歳で年収360万のトレーナー、33歳で年収420万のスーパーバイザーとか・・・

 

実際にそのぐらいの年収はもらえますが、案の定、決して楽なものではありません。

 

責任は二次曲線的に増していき、担当店舗の売上、加盟店オーナー様との関係構築、業態の否定はご法度など、幹部会議では針のむしろになる日々です。

 

心休まるのなんて移動中の車内ぐらいのものでした。

 

数千万をかけた業態が赤字なのに、「オーナー、次こんなんどうです?儲かりまっせ~。知らないけど。」などと新業態の加盟営業をしかけなくてはならないとか、もはや狂気の沙汰です。

 

若造が経営者を相手に数千万規模のやり取りするんですから、ここから先は鋼のメンタルと柔軟な地頭がないとまず無理です。

 

この辺まででした。ポンコツでもなんとか頑張れたのは・・・

ほどなくして私は白旗を上げました。

 

転職タイムリミットと言われる35歳・・・私は逃げるように給食業界へと転職しましたね。

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給食業界の直営の調理師のリアル

紆余曲折ありましたが、私は給食業界で施設直営の調理師をしています。

とある地方都市、委託給食ではなく社会福祉法人グループの直接雇用、年収は相当ダウンしています。

しかし、幸福度は高く、「定年までココでいいかも・・・」とさえぼんやりと考えています。

労働時間

毎朝5:00に出勤し、14:00には帰路につきます。

実働8時間で残業の圧力も強要もありません。

残業は月に2~3時間あるかないか。

仕事内容

基本的には365日✕3食の調理・盛り付け・準備の繰り返しです。

あと2時間しかないけど売上目標必達!みたいな無茶振りはありません。

給与

年収は40歳で300万、ボーナスなしの12ヶ月均等割。

月収で言えば25万ですが、全額基本給でカウントです。

1.5%程度の年次昇給もあります。

年収ベースで毎年4万~5万円ずつゆっくりと上がっていくイメージです。

公休・有給休暇

月ごとのシフト制で公休は月に8~9回、そのうち月に3日程度は希望する日に休めます。

大型連休はありませんが、2連休は月2回ぐらいのペースであります。

盆暮れ正月GW、世間が騒がしい日は静かに仕事です。

有給休暇は行事食を外せば嫌な顔されずに取れます。

トータルの年間休日は120日程度でしょうか。

3日に1回ペースで休み。

 

子どもの運動会・幼稚園のお父さん役員・夏祭りなど主要行事には参加できてます。

近隣の施設間の異動はあっても、引っ越しを伴う転勤はありません。

職場環境もよく、平穏な毎日が過ぎていきます。

「危機感!危機感!」と煽られ刷り込まれることはありません。

通勤

職場も近く原付で10分程度。コスパ最強の通勤手段です。

なので車は1台で十分です。

福利厚生・退職金共済

当然ですが社会保険・厚生年金は完備。

中小企業退職金共済制度に加入してます。

毎年、社員旅行あり。

その他もろもろ。

最もデカいのが、検食という名目で栄養管理された朝食と昼食つき、無料。

昼食+コーヒーで1日800円使うとしたら240日✕800円で年間20万円ぐらいは違ってきます。

食費の面で家計への恩恵は絶大です。

家庭の平穏

家に帰れば子どもとしっかり遊び、夕食を作って家族みんなで食卓を囲みます。

夜20:00には子どもといっしょに就寝。

休日が平日メインなので、混雑や行列、渋滞ストレスなんかはかなり回避できます。

激務でもないので6時間も寝れば自然に目が覚めます。

家事・育児は協力して分担。余裕です。

もちろん外食に戻る気はサラサラありません。

この会社に決めた理由

薄給ですが副業は会社規定に記載はなく、「ご自由に」のスタンス。

勤務以外の拘束はしない主義が徹底している。

体力的にもノーダメージ。

 

結局の所、たくさん稼いでもたくさん使えば手元には残んないんですよね。

外食時代に使ってたバカみたいな交通費・交際費、昼食代に間食代、競合調査という外食費、悪魔的な社内販売、深夜の夜食代・・・

そんな支出が一切ないので、収入落ちても家計の差し引きはむしろ増えてるんじゃないかと思います。

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給食業界の調理師になるには

まずは業界のことをざっくり知っておきましょう。

 

就職先は委託(よそ様での調理)直営(自分とこの調理)かで二分されます。

委託の場合は、さらに病院食などのメディカルフード部門か社員食堂や学生食堂などのコントラクトフード部門かで社内組織が大きく別れています。

  • ノウハウないので普通にやったら採算厳しいんで委託に丸投げ
  • なんかあった時に業者ごと取っ替え引っ替えできる

簡単に言えばこんな理由からほとんどの給食施設は委託されています。

常にアウェイゲームの委託調理か、毎日がホームゲームの直営調理と言えばイメージしやすいかもしれません。

コントラクトフードの調理師

学食や社員食堂など、食事制限のない人への食事を提供する部門です。

主な調理は日替わり定食、カレー、うどん、そば、ラーメンなど・・・

日替わりの献立は調理師で立てます。

委託元から依頼があればイベントやパーティーなどの調理も行います。

券売機や食券での売上管理を行う必要があります。

利益の出し方は一般外食とほとんど一緒です。

売上があって原価と人件費と諸経費引いて、残った利益はいくらかなということです。

集客しなくていい分、いかにロープライスに抑えるかという勝負です。

先方と自社の窓口になるので、社会人としても最低限のマナーは必要です。

栄養士の配置はかならずしも必要ありません。

なので調理師が現場の責任者というケースが大半です。

メディカルフードの調理師

病院や保健施設・学校給食など、食事が治療や発育の一環という人々への調理です。

管理栄養士が献立を作成し、食材の分量も決まっています。

一汁三菜をベースに家庭料理を作ります。

病院などでは盛り付け、個々のトレーへの配膳、各階への運搬まで行います。

 

提供時間は厳守です。

薬の時間や診療時間などすべてのスケジュールが崩れるので、会社レベルのクレームになる場合もあります。

 

利益構造も特殊です。

病院や施設が購入した食材を使用し、人件費や営業経費を請求するという流れです。

この営業経費が利益のようなものです。

 

調理以外の盛り付け、配膳、下膳だけを部分的に労務委託するというケースもあります。

 

要は最初のシュミレーションで事業所の収益性はほぼ決まり、後から売上や利益を上げるということはできません。

労務費(人件費)を申告以下に抑えれば利益を上乗せできますが、もちろんこれ契約違反です。

 

現場責任者は必ず管理栄養士・栄養士であり、調理師がトップに立つことはありません。

直営の調理師

施設の正職員として採用されます。

待遇も基本的には一緒です。

ただ、件数そのものが少なく、欠員補充の求人に多数の応募が殺到します。

 

自校調理の学校、大きな病院や福祉法人グループなどが所属先となります。

 

社会福祉法人が給食部門を別会社にし、100%子会社として自社の食事提供にあたるというケースもあります。

表面上は委託で待遇も若干落ちますが、実質は直営みたいなものです。

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給食の調理師、どこからはじめる?

外食からの転向組は、外食に近いコントラクトフードなら経験を活かして活躍できそうというイメージを持っています。

採用情報とかでコックコート着た「シェフが作ってます」的な画像がありますよね?

 

で、日常的に作るのはなにかというと、日替わり定食に、カツ丼、カレー、うどんやそばといった定番メニューです。

たまにパーティーやイベントでオードブル。

フェアでレトルトソースのパスタ。

そんなものです。

 

毎日飛び回ってイベント調理でフランベとか大忙し・・・する訳ありません。

腕を振るうメインは数百円をいかに美味しく食べるかの料理なのです。

 

高価な食材も使えないので味もそれなりですし、大量調理の作り置きなので保温や保冷の不利もある。

そもそも出来合いメインなんで技術はそんなにいりません。

 

アピール実績を積みたい中小の委託給食会社もありますが、委託大手の寡占が進んでいます。

理由はビジネスとして収益の出し方が難しいから。

 

事業所単体での利益が薄いので、自社で商流と物流を抑えている総合商社とかでないと、利益を積めないんです。

 

中小の委託給食の求人がやたら薄給、もしくはブラック案件が多いのはこういった事情もあります。

 

こういった事情を理解した上で給食業界へと転職するのであれば、自ずと進む道は見えてきます。

 

人口統計を考えてみれば、給食業界がどんなことになるかは少しは想像が尽きます。

  • 超高齢化社会へ向けてメディカルフードの需要増
  • ほぼすべての業種で人員不足、効率化は加速
  • 真空調理技術の需要は増していく

なので、調理師としてなんとかポジションを取っていこうと思えば、

  • 500床以上の大病院の厨房立ち上げに参加した経験
  • 大病院での主任クラスの調理経験
  • 調理補助人員を動かせるだけの知識
  • 真空調理と提供方法までのノウハウ

 

と、こんな感じの能力が必要とされて来るんじゃないかと思います。

間違いなく、いま給食業界でもっとも川上に位置しているのはメディカルフードです。

 

それさえできれば、老人保健施設にも学校給食にも応用は効きます。

もしも、私が調理師として給食業界で再スタートするなら、間違いなく大手委託の大病院の調理を希望します。

学食や社食はもちろん、学校給食はパスします。

 

その後は委託大手で新規事業所の立ち上げ部隊にまわるもよし、直営の調理師案件を探して上を目指すもよしです。

 

委託給食の営業マンと接点があれば積極的にコミュニケーションを取っておいたほうがいいですよ。

まだ見ぬ事業所や他社の実情など、給食営業マンの持ってる情報量はハンパないですから。

 

セントラルキッチンを保有するグループで、数百食程度の小回りの効く真空調理技術を身につけるというのも大きな武器になると思います。

 

とにかく、外食寄りのスタイルにこだわっていては、いつまで立っても一現場のワーカーから抜け出せないのが給食業界です。

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転職サイトへはすぐに登録しておく

転職サイトは掲載費も高額なので、求人の大半は委託給食の会社のものです。

募集掲載費の出せない地場の小さな業者は、ハロワが求人のメインとなってきます。

ハロワに爆弾案件が多いのもこのためです。

 

公的な施設では公平性を保つという名目で、数年ごとに給食業者の入れ替えが発生します。

民間施設でも給食業者の入れ替わりは頻繁に発生します。

つまり、今勤務できている事業所が解約になった場合、住んでいるエリアに獲得事業所がない場合は転勤、それも難しければ退職という流れになってしまいます。

 

パートは次の契約会社に引き継がれても、社員は切られる可能性大なのです。

万が一転籍できたとしても露骨な条件の引き下げを提示され、結果、自己都合退職を余儀なくされるかもしれません。

 

委託の給食会社の調理師にはこういったリスクが常について回ります。

できれば転勤や異動のない直営がいいと思う調理師は少なくないはずです。

こちらもどうぞ:  【転職失敗を回避せよ】転職回数の多い私が知らなかった評価と給料のこと

それは家庭を持てば尚の事です。

 

だからこそ、直営へ入りたがる栄養士・調理師が後をたたないのです。

しかし、直営の調理師求人はそもそも件数が少なく、出てもすぐに応募が殺到してしまいます。

直営の調理師案件はほとんどが非公開求人であり、あったとしても未経験から採用される可能性はおそらく無いでしょう。

 

書類選考をパスできる経験値を備え、常に求人にアンテナを張っておく必要があるのです。

 

私も給食業界の調理師として右往左往しましたが、今にして思えばノウハウのある大手の委託のメディカルフードに飛び込み、実績と人脈を作りながら直営案件を待つというスタンスがベストなスタンスかなと思います。

 

メディカルフードの調理経験は2年もあれば十分に直営でアピールできます。

朝・昼・夜の調理の流れ、配膳下膳の進行、食札の理解など積極的にあらゆるポジションに関わって知識を蓄えてください。

特にさまざまな治療食形態がある大病院は、経験値稼ぎに最高の場所なのです。

 

今すぐの転職ではなくても、大手の求人サイトへの登録はしておくべきです。

 

給食調理師という単独の求人はあまり無く、栄養士や介護士と同時募集もあります。

この場合、カテゴリーが介護・福祉の栄養というカテゴリーになるので、見つけにくい求人でもあるのです。

さらに、エージェントサービスなど担当者がつく求人サイトに登録しておけば、そんなニッチな求人希望でも担当者がフォローしてくれますので心強いものです。

流れてくる直営の求人には常にアンテナを立てておいたほうがいいです。

 

しっかりとした職経歴を書き、給食調理しとして身につけたスキルを記載していけば、直営施設だけでなく、より条件のいい大手間での転職という可能性も高まってきます。

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