3歳くらいになると外で元気に走り回ることも増えてきます。
ですが、子どものバランス感覚について「周囲よりも劣っているのではないか」と心配ではないですか?
わが子のバランス感覚が悪い(鈍い)と感じるのは、子どもの身体能力や遺伝のせいではなく、足のトラブルが原因かもしれません。
・走り方がなんだかドタバタ
・まっすぐに走れない
こういった光景を目にすると、なんとか鍛えてあげたい!と思いますよね。
確かにバランス感覚を身につけるのには、効果的なトレーニングもあります。
しかし、それも健康な足があってこそ。
子どもの足のトラブルの中でも特に目立つ「浮き指(うきゆび)」。
子どものバランス感覚と浮き指、これらの関係について調べてみました。
浮き指がバランス感覚に影響する理由
浮き指(うきゆび)とは、足の指の何本かが地面についていない状態のことです。
5本指全部が浮き指という場合もありますが、中指だけ浮いているという具合に部分的に浮き指という場合もあります。
浮いている指の本数が多いほど重心はかかとに偏り、バランスをとるためひざが曲がり、まるで類人猿のような歩き方になってしまいます。
くつの中ではこのような状態になっています。

出典:ミフネ化粧品ブログ

出典:ミフネ化粧品店ブログ
浮き指になってしまうと次のような結果や症状につながります。
・着地の衝撃が吸収できず、ひざに負担がかかる
・骨のアーチ構造が崩れるため、姿勢が悪くなる
・ふくらはぎの筋肉が弱く、血流を悪くする
・外反母趾、内反小趾の原因となる
・足の裏、中指のつけ根に硬いタコができる
厄介なことに浮き指は大人でさえ自覚症状を感じにくいものです。
そして、まさかそれが幼いころからの癖から発症しているということも十分に考えられます。
乳幼児期のくつ選びが明暗を分ける
子どもの浮き指の原因と考えられているのが、サイズの合わないくつです。
さらに樹脂製のスリッポンタイプのサンダルや、つっかけなどのベルトタイプのサンダルもはき続けると浮き指になるリスクが高まります。
これらのはきものは無意識のうちに歩き方までを変えてしまいます。
これらのサンダルで歩くときの足をよく観察してみてください。
前に振り出した時に飛んでいかないように、指を上に向けて引っ掛けるようにしています。
家のなかはほとんどスリッパで生活という人も要注意ですよ。
こうしたサイズの合わないくつやつっかけ履きが徐々にくせになり、浮き指になってしまうと考えられます。
子どもへの影響が特に大きいのはなぜ?
子どもの足は柔らかい
初めて歩きはじめる1歳半くらいの赤ちゃんの足の骨を見ると、まだ少なく隙間もたくさん空いていて、足の骨の70%くらいは軟骨という状態です。
そこから4歳くらいでやっと骨が噛み合いはじめ、骨の数も揃ってきます。
しかし、まだ隙間も多く骨と骨が離れ離れになっている状態なのです。
子どもの足の骨は11~12歳ぐらいでやっと形が整い、18歳ぐらいまでに徐々に固くなり大人の足へと成長していきます。
とくに小さいうちは成長も早く、数ヶ月もすればサイズ変更しなくてはならないほどほど成長も早いです。
- 2~3歳では1.2~1.4cm
- 3~4歳では0.8~1.0cm
平均的にこのぐらいは成長します。
幼児期は特に大事
3~8歳はプレゴールデンエイジとも呼ばれ、その後のゴールデンエイジ、ポストゴールデンエイジへと続く、身体能力を大きく左右する貴重な時期です。
幼児期のバランス感覚についてはこちらの記事もあわせて呼んでみてください。
健全な身体能力には、正しい骨格と適正な筋肉が必要です。
幼児期、足の骨が噛み合う前に変な歩き方のくせがついてしまうと、その後の少年期、青年期に修正するのはとても困難です。
もしも、アスリートを目指し練習内容もハードになってくると、記録やパフォーマンスに影響するばかりでなく、抜け出せないな深刻な不調や、重大なけがなどの結果を招いてしまう原因となってしまいます。
人間の体は長い年月のくせや反復行動の結果が積み重なって形成されていきます。
幼児期、少年期のくつが、大きくなって修正や取り替えのできない大事な役割を担っていると考えましょう。
ふくらはぎは第2の心臓!?
人間の血液は心臓がポンプとなって動脈へと送り出されます。
体の末端まで進んだ血液は、折り返して静脈を通って心臓へ戻るのですが、この血液を心臓へと引き戻す動力の補助となるのが筋肉の収縮なのです。
人間の血液の約70%は下半身に集中していると言われ、足から心臓へと重力に逆らって血液を押し上げるのには相当なエネルギーを必要とします。
ふくらはぎを中心とする足の筋肉は、全身の血流、心臓への負担を軽くする重要な役割を担うので、健康な肉体を保つためには欠かせないのです。
ところが、浮き指の状態ではこのふくらはぎのポンプが100%の機能をしていないのです。
ためしに意識して浮き指にして、かかとだけで歩いてみてください。
着地の衝撃がダイレクトに伝わり、ふくらはぎの筋肉は動いていないですよね。
次に、かかとから着地して、指先でしっかり地面を蹴るように歩いてみましょう。
ふくらはぎの筋肉の収縮がはっきりとわかりますよね。
この動きがまるで牛の乳搾りのようにポンプ作用として機能してくれるのです。
浮き指では重心が後ろに傾くため、ドスドスと足音の大きなかかと歩きに近くなります。
ということは、ふくらはぎもしっかり収縮していないため、血流も悪く疲れやすい体の原因ともなっているのです。
このように、幼児期のくつ選びは将来の健康のためにもとても重要なのです。
ぜひ、デザインだけでなく、健康な体の土台を作るという足育という視点でもくつを選んであげてください。
子どもにおすすめのサンダルは?
正しいバランス感覚を養うには、健康な足の骨も欠かせません。そして、かかとで着地して指先全体で蹴り出すという自然な歩き方も欠かせません。
この足の動きを自然にサポートしてくれるのが、足の親指とひとさし指の間に鼻緒(はなお)のついているタイプのサンダルです。
- ビーチサンダル・トングサンダル
- ぞうり
- 雪駄(せった)
- わらじ
こういった形状のサンダルです。
鼻緒の部分をしっかりと指でつかむこれらの履き物は、はだし歩きに近い正しい歩き方が身につくほかにも、こんな効果も期待できます。
- 重心が安定し姿勢が良くなる
- 扁平足の改善
- 外反母趾(がいはんぼし)、内反小趾(ないはんしょうし)の予防
- 足のグリップ力とキック力つき、足が速くなる
- 指先を使うことで脳の活性化につながる
- 歩く時の足音が静かになる
しかし、ビーチサンダルはイメージ的にもデザイン的にも夏のもの。
ビーチで履くことを想定されているので、素材やクッション性も舗装道路の上を歩くようには設計されていません。
それに、本来の使用用途とは別ということになりますので、思わぬ事故や怪我につながりかねません。
わらじは・・・さすがに目立ちすぎますよね
耐水性は期待できませんし。
冬でも着物は着るように、着物に合わせる草履もオールシーズンで履けるサンダルなのです。
草履を見直す
草履というとなんだか古くさいイメージですが、健康面で考えればとても理にかなった履き物であることは間違いありません。
5本指ソックスや足袋型靴下は激しい動きに最適
冷えやムレの対策としてすっかりポピュラーになった5本指ソックスや足袋靴下ですが、元ニューヨークヤンキースで4番打者を努めたゴジラ松井秀喜氏も5本指ソックスの愛好者として有名です。
実は野球界だけでなく、スポーツ界では以前から5本指ソックスの優れた特徴が注目されています。
- 5本の指が独立し、バランスよく体重を分散できる
- 歩行、走行の姿勢が安定する
- 地面を掴んで蹴るというグリップ力が高まる
- 水虫などのトラブル防止
など、足で地面をグリップするスポーツ、野球やゴルフ、マラソンをはじめあらゆるスポーツに幅広く愛好者が増えています。
ミサトっ子草履も使いはじめてしばらくは固く感じます。
また、鼻緒が草履の真ん中にすげ上げられているという特徴から、馴染むまでは少しきつく鼻緒ずれなどを生じることもあります。
まとめ
バランス感覚を鍛えるといっても、そもそも子どもは頭が1/5を占め、上が重たいアンバランスな重心です。
本来は成長していく過程の中で、自然に体得していくものなので無理強いや過度の訓練的なものは怪我のもと。
それよりも浮き指やその他の足トラブルの予防を考えたほうがいいかも・・・
そう言うわたしは結構な外反母趾(がいはんぼし)の、内反小趾(ないはんしょうし)。
右足中指のつけ根に慢性的なタコができるので、おそらくこの指は浮き指でしょう。
歳を重ねて気づいたことは「体のねじれ」です。
背筋なんて触ってわかるほどに左半身だけ偏ってついています。
右肩は少し下がり気味で体全体がツイスト状にねじれてるんですね・・・
このように大きくなってからだんだんと不具合は目立ってきます。
直接の原因が足からくるものかどうかはわかりませんが、大きく影響していると思います。
大きくなってからの修正は困難です。子どもの足育はちゃんと考えてあげましょう。